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. 「女性や子供は都市から避難しているが、大半の市民は平静。内乱が20年以上続い ており、『またか』という感じで粛々と戦争に備えている」

市民には緊張感の一方で、あきらめムードも漂っているという。
 中村医師は、国際社会とほぼ絶縁状態にあるアフガニスタンの現状を知る数少ない 日本人。1984年にハンセン病患者の治療を中心に医療活動を始め、病院や診療所 を作ってきたが、昨年からは大干ばつで「医療以前の問題」となり、井戸の建設など 水源確保に力を注いでいる。

「大干ばつで耕作はもちろん、飲料水も不足。人工2000万人の国だが、昨年一年 間で百万人が餓死した。放っておけば、今年の冬までに死者は数百万人に上るだろう。 生きるのに精いっぱい。戦争どころではない。」

今月17日に帰国して1週間足らず。洪水のように報道されるアフガニスタンやタリ バン政権の姿に違和感を感じている。

「狂信的集団のタリバンが抑圧的に国民を支配しているように伝えられがちだが、実 情は違う。タリバンは、内乱で強盗や婦女暴行が日常茶飯事だった治安を安定させた。 ほとんどの国民が支持している。タリバン政権が倒れれば再び大混乱となるのは必至。 これ以上の混乱はだれも望んでいない。」

世界を震撼させたテロ。

「犠牲者を悼む気持ちは、ほとんどのアフガニスタン国民も同じ。いたずらに敵愾心 をあおるべきではない。ぎりぎりまで交渉を続けるべき。米国は意図的に報復を急い でいるように思えてならない。」

日本政府が検討する自衛隊派遣については
「憲法違反だし、報復に加担したら日本がテロの標的になる恐れがある」と指摘。

「世界の中でアフガニスタンでの対日感情は最もいい。その反動が恐い」と懸念する。

取材が殺到し、自宅でゆっくりする暇もないまま、10月初めには出国する。アフガ ニスタンとの国境に近いパキスタンのペシャワルで指揮を執り、診療所や井戸の増設 計画をすすめる予定だが、報復攻撃で計画断念を余儀なくされる可能性も大きい。

  「冷静に自体を見てほしい。ひん死の国をつぶして、残るのは敵意だけだ。」

孤立無援の国で必死に暮らす人々を思い、中村医師はやりきれない表情を見せた。

熊本日日新聞 23日付けの記事より
 

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