たった一つの言葉の裏には
十人いれば十の
百人いれば百の
意味が存在する
そこにある事実の解釈も
千人いれば千の
一万人いれば一万の
解釈が存在する
糸は絡まるだけだろうか
糸はただれていくだけだろうか
それでも人は言葉を使う
それは人であることの証
それは心にある一点を共有したいと願う
人の心の表れ
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白い朝だった。
6時に起きて母乳をやる私より先に、起きて階段を昇ってくる人がいる。
白い息を吐いていた。
母乳をやりおえ、朝の検診をうけ、部屋に戻ってみると、そこにはいつも暖かな朝食が待っていた。
それは、昼食も、夕食も、続く。
母乳が良く出るようにと、栄養や水分のことがとても考えられていた食事だった。
ありがたいという気持ちのかわりに、小さなメモに走り書きをした。
今日、何が美味しかったか。何に季節を感じたか。そして、当たり前だが、ご馳走さま、と。
退院の朝、食事を作ってくださっていた女性二人が、挨拶に見えた。
赤ちゃんの誕生のお祝いの言葉と、そして、
「ご馳走さまの言葉、ありがとうございます。今まで、言ってもらったことがなかったから、感激していたんです。」
ちょっと、赤面しながら、産院を後にした。
やはり、言葉は、素敵だと、思った。
西暦一九九九年 葉月 吉日
雅世
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